特集 院内感染最新事情
感染防止の基本—医師の立場から
稲松 孝思
1
,
増田 義重
1
1東京都老人医療センター感染症科
pp.799-802
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904345
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はじめに
本邦の病院におけるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の蔓延を契機に,院内感染(病院感染)の実態とその対策の重要性が広く認識されるに至った.従来,軽視されがちであった院内感染対策について,不十分ながらも,行政面を含めた対策が取られるようになってきたことは大変喜ばしいことである.その一方で,MRSAを恐れるあまりMRSAのみが注目され,また,MRSA感染症による実害がほとんど見られない病院以外の領域にまでその対策が拡張され,さまざまな混乱も生じている1).このような現状を考慮し,院内感染対策に関する問題について,耐性菌対策を中心に,医師の立場から概略を述べてみたい.
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