患者と私 患者に接して40年・2
医師の立場と患者の立場
桂 重次
1
1東北大学
pp.1596-1597
発行日 1965年11月20日
Published Date 1965/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203824
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教授生活がだんだん長くなつてくると忙しくなつて,患者と親しく接することがしだいしだいに少なくなつてくる.新患あるいは外来,あるいは手術ときまつた時間にきまつた患者をみて,患者と親しく接するという時間は少なくなつてくる.そんなになると患者側は大学のえらい先生にみてもらつたのだからとか手術してもらつたのだからというようなことを考える.やつている医師の方もしだいしだいに患者と人としての接触でなくなつてくる.これはまことに悪いことであると知りつつも忙しさにかまけてそれでいいものだとする考え方になる.
大学を定年退職し病院の院長となり,別の意味で医師として再出発するに当つてこの点を深く考えさせられるのである.
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