研究と報告
頭頸部専門外来における継続看護—予後不良患者のアンケート調査から
岩佐 喜代子
1
,
加藤 由美子
2
,
武藤 朝子
2
,
沢石 京子
2
,
村上 紀子
2
,
松山 烈子
2
1札幌医科大学附属病院耳鼻咽喉科
2札幌医科大学附属病院
pp.1120-1123
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904142
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はじめに
現在,札幌医科大学耳鼻咽喉科頭頸部専門外来に通院する患者の99%が悪性腫瘍である.しかも入退院を繰り返す患者が多くなっている.退院後の外来治療時に絆創膏の貼り方が入院中と違ったことで外来看護婦が患者に不信感を与えてしまった経験を機に,われわれは継続看護の必要性を痛感し,外来における受け持ち制を開始した.最初は病棟からの退院時サマリーを活用して問題点を知り,患者への関わり方を配慮した.しかし退院時サマリーの活用だけでは患者を十分に把握することは難しく,信頼関係の確立も容易ではなかった.次いで外来での担当看護婦の自己紹介,家族への働きかけ,診療前の声かけなどを工夫したが,効果は少なかった.そこで退院前に病棟看護婦より患者を紹介してもらい,同時に引き継ぎを受けることにした.これによって患者とのコミュニケーションがとりやすくなり,外来における看護の役割も見いだせるようになった.
受け持ち制が定着し,継続看護や外来看護記録が軌道に乗りつつある現在だが,われわれは真に患者のニードを捉えているのだろうか,また患者は外来の担当看護婦に対し信頼感を寄せてくれているのだろうかとの疑問を感じた.この点を明らかにすることを目的として本研究に着手した.
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