特集 看護に役立つ東洋医学の方法
患者に指導している気功法—静功を中心として
山本 仁美
1
,
上斗米 正代
1
1町立田子病院
pp.422-427
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900384
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はじめに
古くから「病は気から」と言われていますが,私たちの日常の看護生活の中でその言葉の意味を深く考えさせられることが実にたくさんあります.
患者の中には,「この薬を飲まないと調子が悪い」とか「この注射をしないと具合いが悪い」というように,ただ求めるだけの依存的態度で,病気は医師まかせ,全く自己の主体性に欠けている人が少なくありません.また,症状が少し変化したことをきっかけに悪い方へ悪い方へと考え悩み苦しんで,身体よりも精神的に病気に負けてしまうタイプの患者も意外に多くみられます.
どんな病気でも,健康を失う恐怖感は誰もが抱くものです.私たち医療従事者が行なわなければならない大切なケアとは,この場面での精神的アプローチです.患者の独自の性格や感情をどのようにコントロールするかが,病気克服の重要な鍵と考えます.
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