特集 患者の死後,看護婦は……
家族の思い
米国での死の看取り—ホスピススタッフの家族へのかかわり
的場 元弘
1
1北里大学病院麻酔科
pp.989-991
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900235
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はじめに
日本で「日本」といえば日本人の国を意味し,その日本人たちは文化であれ感覚であれ,何となく共通点を持っている.一方,アメリカは全く違う.さまざまな人種,文化が同居する移民の国で,強いて言うならばこのバラバラさがアメリカの特徴である.
家族や友人の死に対する反応もアメリカの特徴をよく表わしている.これがアメリカ式だという決まったものはなく,人種や宗教あるいは地域によってさまざまである.イタリア系の家族では悲しみが長引く傾向にあり,黒人系の家族では死を人生の一部として捉え,敬意ある死を望む1)といったような具合である.
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