特集 患者の死後,看護婦は……
[対談]患者の死,それはかかわった人の中に死者の心が生き始める時—看護婦の役割もこの視点から
川島 みどり
1
,
徳永 進
2
1臨床看護学研究所
2鳥取赤十字病院
pp.962-969
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900228
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看護婦だって泣けばいい
川島 看護婦は死に直面する頻度が最も高いというだけじゃなくて,死に至るプロセスに最も長く,深くかかわり合う職種の1つだと思います.それはある意味で宿命的なわけです.ところが,ターミナル・ケアへの関心が高まっているわりに,死後の処置や対応については,あまり注意,関心が向けられてこなかったと思います.そこで今日は,患者さんが亡くなった後,看護婦はどのようにすべきか,あるいは現実はどうかなどについて話し合いたいと思います.
患者さんの死後,看護婦がまずしなければならないことは,実務的には死後の処置がありますね.そして患者さんの家族とのいろいろなかかわりを経て,遺体をご自宅か火葬場にお送りするところまでが,病院の看護婦の現在の役割ではないだろうかと思います.しかし,それから先の家族の気持ちとか,悲しみとかといったことに,もう少し関心を向けてもいいんじゃないかと思います.
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