特集 せん妄であわてない
せん妄のアセスメントとケア
II.栄養管理
杉澤 栄
1
1日本看護協会 看護研修学校認定看護師教育課程 集中ケア学科
pp.30-33
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101697
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規則正しい食事摂取により、概日リズムを整える
せん妄を誘発する直接因子、直接因子となる原因疾患が存在する状況では、禁飲食および点滴による静脈栄養管理を必要とする場合が多くあります。静脈栄養の利点は、患者の症状や状態、身体の機能を示す検査データをもとに、患者の消化管に負担をかけずに、エネルギー量、水分量、電解質などの栄養素を管理できるという点です。
しかし、私たち人間は本来、ある程度決まった時間に経口的に食物を摂取し、その摂取した食物を消化吸収して、必要なエネルギーや栄養をつくっています。規則正しく三度の食事を摂取することで、規則正しい睡眠につながり、また、メラトニンやレプチン、グルコースやインスリンの概日リズムも整えることが示されています。つまり、規則正しく食事を摂取できない場合、患者の概日リズムに変化がもたらされ、せん妄予防やせん妄からの早期回復を阻害する因子となる可能性があります。
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