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病院給食の管理法について(II)
矢野 眞琴
1
1國立都城病院
pp.35
発行日 1951年11月1日
Published Date 1951/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200405
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基準献立表
前章で述べた樣に献立表の中に調理方法を書入れて置くと色々な意味で便利である。例えば毎日目に觸れる献立を整理するのにも,之を用いると明確に夫等の差違點を區別出來る。又調理の指導をする場合にも此等を示せば,生徒は極めて早く了解し,且科學的に習得する事が出來る。團體給食に於ては,榮養士は之を書く事により,炊事係は之を實行する事により,分業的に任務を果すことになる。毎日此表を用いていると之が無くては依り所の無い不安を感ずる樣になるものである。又之を讀んで實施する能力が發達して來ると,新らしい調理をどしどし取入れる事が出來るから,炊事場は非常に活氣を呈して來る。
併し此樣に献立表が活用された場合,書き間違いによつてとんでもない現象の起きる事もある。我々友は鹽の量を一桁書き間違つたため,或いは食品の配列を誤つたため,似ても似つかぬ料理を食わされた事が屡々ある。其樣な間違いが度々あると炊事係は將來も此表に頼れなくなるから,炊事場全體の統制を維持するためには絶對に書違いをしない事である。それで平素必要な献立は一通り作製して置いて,日々頭を使う樣な繁雑は避ける方がよい。我々の炊事場でも,略々基準になる献立表が出來ているので,其中の主なものを參考までに掲げる。此献立表は成るべく色々な調理方法に亘つて撰定し,似た樣なものは省略してしまつた。又飲物類や菓子類の献立表の發表も後日の機會に委ねる事にした。
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