連載 世界の感受の只中で・16
病い・2
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.716-721
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101308
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「死の哲学から病いの哲学へと折り返すこと,本書が求めてきたのはそのことであった.ところが,ひとたび死期を告げられてしまうや,末期の生は,死のまなざしに曝されてしまう.そこで,死に淫する哲学は,手練手管を駆使して,死ぬことに意味を与えて,死へ向かう生に救いをもたらそうとする.死に淫する哲学は,死によって生を照らし出すことで,死へと向かう生そのもの,生と死の間の生そのもの,要するに,病人の生を取り逃し続ける.だから,死に淫する哲学と違う道を行くには,病人の生をそれとして肯定して擁護することが求められる」(小泉 2006a:208)
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