特集 ここまでできる!摂食・嚥下リハビリテーション
―NSTとのリンケージ―超急性期の脳血管障害患者への戦略的なアプローチ
今田 智美
1
1京都第一赤十字病院脳卒中センター
pp.226-232
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100878
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はじめに
脳血管障害患者における嚥下障害発症率は,急性期には30~60%といわれている.しかしながら,発症直後は,意識障害を伴っていることが多く,嚥下に目を向けられていない現状がある.当センターにおいても嚥下評価は,JCSⅠ桁となった段階で水飲みテストなどを行ない,実施してきた.
しかし,評価の際,口腔乾燥や著しい口腔汚染,唾液誤嚥といった口腔機能の低下をきたしているケースも多く,専門的口腔ケアや気道クリアランスを図るための取り組みに時間を要してきた.そのため,重症嚥下障害患者においては,入院期間の短縮などにより,摂食に至らないまま転院するケースもある.また,嚥下障害があるにもかかわらず,絶食としてアプローチされないケースもある.
そのため,発症直後の意識障害をともなった超急性期から,廃用性口腔機能低下を予防するための訓練を実施し,摂食へのスムーズな移行を目的に体制整備に取り組んだ.
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