特集 ここまでできる!摂食・嚥下リハビリテーション
PEG(percutaneous endoscopic gastrostomy)―嚥下機能改善が期待できる1つの選択
福本 礼
1
1医療法人栄寿会天満病院
pp.234-237
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100879
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PEG導入に至るまでの経過と長所・短所
●早期のPEGは支持できない?
2005年Lancetに発表されたFOOD trial1)に,今後の栄養管理についての方向性が示唆されている.これは,18か国から集められた脳卒中急性期患者の栄養に関する多施設無作為調査であるが,そのなかのTrial 3では,入院30日以内に経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:以下PEG)を施行した群と,経鼻経管栄養を施行した群の6か月後の予後比較を行なっている.有意差までは出ていないものの,死亡率,予後不良率ともにPEG群のほうが高い,という結果であった.欧米では早期の栄養補給開始,早期のPEG導入がうたわれてきたが,ここにきてそれは支持できないということになった.さらに,将来的には経鼻経管栄養をより安全・確実に施行することに焦点が合わせられると結んでいる.
果たして,日本ではどうであろうか? そもそも,早期にPEGを導入することがまだ普及していない段階ではないであろうか?
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