Japanese
English
特集 摂食・嚥下障害
脳血管障害急性期
Dysphagia; Acute Phase of Stroke.
平岡 崇
1
,
石井 雅之
1
,
椿原 彰夫
1
Takashi Hiraoka
1
,
Masayuki Ishii
1
,
Akio Tsubahara
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School
キーワード:
摂食・嚥下障害
,
脳血管障害急性期
,
ICU
Keyword:
摂食・嚥下障害
,
脳血管障害急性期
,
ICU
pp.415-421
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109224
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はじめに
摂食・嚥下障害のリハビリテーションについては,リハビリテーション医学界はもとより,それ以外の領域においても非常に脚光を浴び,積極的に取り組む施設が増えてきた.脳血管障害による摂食・嚥下障害の発症頻度は高く,リハビリテーション施設に入院している患者の32%に摂食・嚥下障害を認め,その大半は脳梗塞に併発するものであるとの報告もみられる1).また,入院中の脳梗塞患者を続けて評価すると45%に摂食・嚥下障害が認められたとの報告もあり2),摂食・嚥下障害は無視することのできない大きな問題のひとつである.
脳血管障害急性期に摂食・嚥下障害を生じた患者には栄養障害が多く見られ,全患者の49%にも達するといわれる3).さらに,栄養障害のある患者には入院中の合併症が多く,退院時の移動能力や日常生活動作能力が低くとどまることも報告されており4),嚥下機能のみならず,リハビリテーション医学的にはさまざまな観点から問題となる.
そこで,本稿では,主に入院治療を中心とした発症数か月以内の脳血管障害急性期に主眼をおいて,摂食・嚥下障害の病態,摂食・嚥下のステージ別の機能評価法,嚥下訓練法,経口摂取開始時期と食物形態などについて概説する.
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