連載 In the assisted living シアトル・高齢者ケア事情・7
入居者の権利とノンコンプライアンス
北野 敬子
1
1アシステッド・リビング
pp.692-695
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100493
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「ケイコ,今レオさんがサラミソーセージをかじって廊下を歩いていたよ!」とキッチン・マネージャーのアナリーがあわてて報告してきた.「また~.困ったな」と思いながら私はレオ氏の部屋へ行った.
レオ氏(82歳,男性)は半年前に某ナーシング・ホームから移ってきた.長期に渡るアルコール依存症で肝硬変があり,心臓病と腎臓病も併発していた.1人でコンドミニアム(買い取りマンションと同じ)に住んでいたが自己管理ができなかったため,倒れて病院に運ばれたそうだ.そしてナーシング・ホームでリハビリを受けたが,すぐ自宅へ帰るには不安があり,このアシステッド・リビング(日本では「ケアホーム」または「ケア付き住宅」といわれる高齢者用居住医療施設のこと)への入居を申し込んできた.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.