連載 In the assisted living シアトル・高齢者ケア事情・5
家族と施設の対立―入居者の権利とオンブズマンの介入
北野 敬子
1
1アシステッド・リビング
pp.470-473
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100449
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「ケイコ,オンブズマン脚注)に電話をした?」と,ソーシャル・ワーカーのキャレンが私のオフィスへやってきた.オンブズマンから電話があって,この施設へ来る道順を聞かれたという.だが,誰のケースか何も言わなかったそうだ.
「なんだろうね?」
2人とも思い当たることはなかった.
2か月後またキャレンの所へこのオンブズマンから電話があった.今度ははっきりと,入居者トッド氏(82歳,男性)に関してだと言った.このオンブズマンが言うには,トッド氏の娘・パットさんから訴えがあったらしい.トッド氏はこの施設に引き続き居住したいのに,施設は追い出そうとしているというのだ.意外な訴えに私たちは驚いたが,すぐクラーク所長を含めて3人でミーティングを行なった.
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