特集 ―そこが知りたい!―ポジショニングと褥瘡ケア
―症例検討①―拘縮患者のポジショニング
田中 マキ子
1
,
堂尾 弥生
2
1山口県立大学看護学部
2名古屋赤十字病院看護部
pp.325-328
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100416
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はじめに
褥瘡治療・ケアへの関心の高さは,2002年より実施された褥瘡対策未実施減算により一層拍車がかかったと思われる.
褥瘡治療・ケアには,局所への治療・ケアのほか,体圧分散寝具等を用いた予防ケアがあるが,さらに予防ケアを支える意味においてポジショニングが重要といえよう.しかしながら,先述したように具体的なポジショニング・ケアについてはエビデンス構築途上にあって,経験的なエビデンスに頼らざるを得ない傾向がある.
そこで,われわれはポジショニングに関する看護師の知識や認識がどのようなものかを把握するほか,実際にどのような看護ケアを行なっているかを調査し,看護師が抱えるポジショニングに関する課題を検討した.その結果,いくつかの課題が明らかとなったなかでも拘縮患者では拘縮部位の皮膚接触,皮膚とクッションの接触により,湿潤環境や圧迫が生じやすいという問題がある.そこで本稿では,拘縮患者への有用なポジショニングクッション素材について検討を行なったので報告する.
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