特集 ―そこが知りたい!―ポジショニングと褥瘡ケア
ポジショニングと褥瘡ケアのエビデンス
田中 マキ子
1
1山口県立大学看護学部
pp.310-314
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100413
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はじめに
褥瘡ケアに関する研究・開発の進化は,褥瘡対策未実施減算を施行させるまでになった.こうした施策の徹底により,褥瘡治療・ケアに関する知識・技術の向上がはかられ,褥瘡発生は減少しつつある.しかしながら,臨床現場にあっては,難治性の褥瘡を抱えている現実も否めない.このことは,褥瘡治療・ケアにかかわる進展に,あと一歩の不足があるためではないかと予測する.つまり,創局所のアセスメントに関する治療上の優先内容の決定と,褥瘡発生メカニズムの主要因におかれる圧迫・ズレ排除へのケア不足があるのではないかと筆者は考える.
そこで本稿では,圧迫・ズレ排除に関係するポジショニングの観点から,これが褥瘡ケアにどのような影響・効果を及ぼすかを先行研究の成果から確認したい.こうした点が明らかになることは,治癒促進はもとより褥瘡発生予防のエビデンスともなり,絶大な効果をもたらすことに貢献するのではないだろうか.
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