連載 糖尿病advanced care―合併症を持つ人へのアプローチ(6)
心筋梗塞の経過に沿った関わり―「こんなに厳重な制限が必要なのかな」
東 めぐみ
1
,
山本 千恵子
2
,
患者教育研究会
1駿河台日本大学病院
2九州大学医学部保健学科
pp.535-540
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100316
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ねらい
心筋梗塞のため入院してきた患者は,糖尿病を含めてさまざまな病気をもっていることが少なくありません.虚血性心疾患の危険因子は糖尿病,高血圧,高脂血症など生活習慣に関わるものであり,突然発症する心筋梗塞とこれらの危険因子を結びつけてとらえることができない患者に出会うことがよくあります.そのようなとき,患者が虚血性心疾患を受け入れつつ,糖尿病をコントロールする生活を見すえることができるような看護者の関わりが重要になると考えられます(→Lecture).
本事例は,糖尿病をもつIさんが心筋梗塞を発症したときから,治療,リハビリテーション,検査のための再入院までの援助を記述したものです.Iさんは心筋梗塞を徐々に自分のこととしてとらえようとしつつ,実際の生活においてはなかなか受け入れられない困難さや,いったん受け入れたとしても療養方法を生活の中で維持してゆく困難さがありました.複数の病気や症候群を抱えながらの療養生活とそれに伴う患者の思いを,看護師がどう支援し続けるか考えてみたいと思います.
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