実地臨床手技のエッセンス 輸血と全身管理
輸血ひとくちメモ
安全な輸血のために—輸血の適応を厳重に
千村 哲朗
1
1山形大学医学部産科婦人科教室
pp.122
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205995
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産婦人科領域で輸血を必要とする場合は,出血に基づく救急疾患時や手術時,術前処置としての貧血の改善,新生児交換輸血時などがある。輸血の安全性から考えると,輸血に伴う事故は,輸血施行までの検査または事務上の誤りと,輸血施行時から終了までに発生する事故に大別される(表1)。
この場合,不適合輸血と副作用上間題となる汚染輸血とくに輸血後肝炎の回避が望まれる。こうした予期せぬ事故や副作用をさけるための第一条件は,輸血の適応を厳重にすべきであり,輸液のすべてを輸血で補う必要があるのか否かを再検討し,必要最小限の輸血量でありたい。また大量の輸血を急速に必要とする場合でも,その一部を輸液で代用できないか検討すべきである。
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