特集 不安な患者さんはあなたのすぐそばに じつは身近な遺伝相談
―遺伝相談と看護の関係③成人領域―患者の知る権利,知らないままでいる権利を大切にしながら
柊中 智恵子
1
1熊本大学医学部保健学科
pp.119-123
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100020
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はじめに
成人期に発症する遺伝性疾患には,肥満症,2型糖尿病,本態性高血圧などの生活習慣病や,悪性腫瘍などがある.その他,一般的には聞きなれないかもしれないが,神経内科領域には遺伝性疾患が多く見られる.
本稿では,成人期に発症する遺伝性疾患の患者をケアするうえで課題となる発症前遺伝子診断について概観し,実際に成人領域の遺伝相談にはどのような特徴と問題点があるかについて,筆者が関わってきた遺伝性神経筋疾患の1つである家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyroidotic polynuropaty;以下,FAPと略す)の事例をもとに考えてみたい.
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