特集 人権/インフォームド・コンセント
癌患者の知る権利
瀬戸口 要子
1
1国立療養所東京病院付属看護学校
pp.613-617
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901423
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はじめに
父が肺癌で亡くなってから,丸7年がすぎた.それまで職業人としてしか癌と付き合ったことがなかった私は,父が肺癌と診断されたことによって,突然,自分の人生の真っ只中に癌に踏み込まれたかのように感じた.このできごとはそれまでの私の看護婦としての姿勢を反省する機会になった.そして1年にも満たないわずかな期間ではあったが,父と近しく人生を共有することができた貴重な時間だった,と思う.
癌患者の家族としての体験を振返りながら,「癌患者の知る権利」について考えていきたい.
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