連載 死と看護・4
真実を知る権利(2)
河野 博臣
1
1河野胃腸科・外科医院
pp.504-508
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916628
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最近のガン宣告の状況
現在,日本の医学会では大筋としては‘ガンは本人には知らせない’方向をとっているようです.この問題は,患者側の権利の拡大と医師側の死に対するとまどいが大きく原因しています.昭和44年9月に開かれた第7回日本癌治療学会(新潟市)の総会で,最終日のテーマとして,日本の医学会としては異例の,真正面からこの問題に取り組んだ“ガン患者にその癌を知らしむべきか”というパネルディスカッションが行なわれ,医師のほか宗教家・心理学者・患者代表が,その是非を論じたのであります.
このなかで,癌研所長吉田富三博士は次のように言っています.
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