特集 不安な患者さんはあなたのすぐそばに じつは身近な遺伝相談
―遺伝相談の現場から①チームの中のナースとして―遺伝子診療部における看護師の役割
山下 浩美
1
1信州大学医学部附属病院遺伝子診療部
pp.124-126
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100021
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はじめに
信州大学医学部附属病院の遺伝子診療部は,1996年に院内措置として設置された.スタート時は医師のみで対応していたが,その後臨床心理士が加わり,2000年には文部科学省より正式な診療科として認められ,専属の看護師が配置された.現在は,遺伝に関して専門的な知識を持つ臨床遺伝専門医,臨床心理士,看護師がチームを組み,相談に当たっている.
遺伝相談に訪れる相談者は,特別な人や家族ではない.しかし,通常の診療の中で対応するのは少々困難である.なぜなら,彼らがかかえる複雑でデリケートな悩みは,個人の歴史や社会背景に大きく左右されるものであり,必ずしも疾患ごとに区別されるものではないからである.また,専門的な情報を提供するにはそれなりの時間が必要であり,通常の診療枠には収まりきらない.そこで,当院の遺伝子診療部での実際の対応について,遺伝外来受診の流れ(図)と看護師の役割を紹介する.
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