特集 からだのメカニズムから看護技術を見直そう
ギャッチベッドで起こした座位はからだへの刺激になるか?
大久保 暢子
1
1聖路加看護大学大学院
pp.21-26
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100002
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はじめに
病院や介護施設では,寝たきり老人や脳障害者に3度の食事や昼間の離床時に,ギャッチベッドの背もたれを上げて座位にすることがよくあります(図1).臨床では,この座位をギャッヂアップもしくはギャッヂアップ座位と呼び(→note1),看護師が意図して行なう看護技術でもあります.
このギャッチベッドで起こした座位が看護師によって行なわれる理由の1つとして,「1日の大半を寝て過ごさぬよう,体を起こし,刺激を与えること」が挙げられます.しかし,刺激を与えるために行なった座位なのに,患者は,何分かすると目を閉じ,すやすやと眠ってはいないでしょうか? また,いつの間にか頭がベッド柵につくほどからだが横にくずれ,その姿勢で何分間も過ごしてはいませんか?
そこで本稿では,臨床でよく行なわれているギャッチベッドで起こした座位が,はたして対象者のからだに刺激をもたらしているのか,もし刺激がないならば,どのような姿勢が刺激をもたらすのかを説明し,さらに姿勢による刺激を効果的に得るための適切な方法も紹介します.
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