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増大特集 知っておきたいリハビリテーション・テクニック
ベッド上訓練から歩行まで
座位・立位訓練
Sitting and Standing Exercises in Rehabilitation.
椿原 彰夫
1
Akio Tsubahara
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
キーワード:
座位訓練
,
立位訓練
,
運動療法
Keyword:
座位訓練
,
立位訓練
,
運動療法
pp.779-786
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107157
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はじめに
専門的なリハビリテーションの医療従事者であれば,歩行障害の治療に際して座位訓練や立位訓練が必要であることは常識となっている.また歩行能力の獲得に到達しえない障害者にとっても,座位や立位をとらせることが重要であることは言うまでもない.例えば四肢の運動機能を全廃した「閉じこめ症候群(locked-in syndrome)」においても座位を保持することは,内臓への血流量増加や心理的効果のみでなく,コミュニケーション・エイドの使用においても不可欠である.
しかしながら,座位訓練や立位訓練の重要性に関する医学的根拠は,必ずしも明確であるとは言えない.さらに訓練手法の選択に関しても,経験に基づく考えを越えないことは事実である.本稿ではこの現状を認識したうえで,座位および立位保持の神経生理学的機構とその訓練法について概説したい.なお一般的に座位訓練や立位訓練は,「バランス訓練」と筋力や持久力を増大させる「耐性訓練」とに大別されている.しかし,実際の訓練法について両者を分けることは不可能であるため,区別せずに論ずる.
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