Japanese
English
特集 ジェンダーをめぐる諸課題を理解する
性同一性障害/性別違和の外科治療(性別適合手術)
Surgical Treatment for Gender Identity Disorder/ Gender Dysphoria
難波 祐三郎
1
Yuzaburo Namba
1
1岡山大学病院ジェンダーセンター
1Gender Center, Okayama University Hospital, Okayama, Japan
キーワード:
性別適合手術
,
sex reassignment surgery
,
陰茎形成術
,
phalloplasty
,
外陰部女性化術
,
genital feminizing surgery
Keyword:
性別適合手術
,
sex reassignment surgery
,
陰茎形成術
,
phalloplasty
,
外陰部女性化術
,
genital feminizing surgery
pp.1142-1148
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206722
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抄録 性同一性障害/性別違和(GID/GD)に対する性別適合手術(SRS)は,疾患に対する根治性を考慮すると緩和外科治療といえる。それでも乳房切除術を行った自験例でのアンケート調査では,術前後で,うつ症状,性別違和,QOLのスケールで明らかな改善を認めた。WHOのICD-11ではGIDは精神科疾患から除外された。しかし,SRSを行う上で最も重要なことはGID/GDの診断確定であり,性別違和を生じる他の精神疾患を除外する必要があるため,精神科医の介入は必須である。「特例法」によりSRSが法的にも正式な治療法であると認められたが,断種手術を強制するものであると国内外から手術要件排除の声が上がっている。また2018年には乳房切除術を含むSRSの保険適用が認められたが,混合診療の問題が発覚した。このようにGID/GDに対するSRSには現在もいくつかの問題が残されている。
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