特集 どう考える.硬膜外麻酔分娩
パニック状態になった産婦のケア—助産婦は産婦を尊重し,受けとめ,いつでも側に
片岡 弥恵子
1
1聖路加看護大学大学院修士課程
pp.879-883
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902505
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
陣痛とは,読んで字のごとく,多くの場合痛みを伴う。まれに「ほとんど痛みを感じませんでした」「気持ちよかった」と言う方もいるが,出産を終えた多くの女性たちは,その痛みのすさまじさを口々に語る。
私自らの体験では,下腹部を内側からハンマーで殴られたような痛みと日記の中で表現していたが,とにかく強烈に痛かったということを今でも記憶している。3日間も陣痛促進剤を使ったと言えば,その出産の様子は容易に想像できるだろう。しかし,もし2人目を産むとしたら,あの痛みをとってほしいと思うだろうか。つまり,次回は無痛分娩をしたいと思うか,と自分に問いかけてみると,答えは「No」である。あんなに痛かったのに,もう一度あの痛みを味わってもよいと思うのはなぜだろうか。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.