特集 夫立ち会い分娩
夫立ち会い分娩を助産婦としてどう受けとめるか
前原 澄子
1
1千葉大学看護学部
pp.648-655
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206930
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はじめに
ラマーズ法を代表とする自然分娩への動きの中で,「夫立ち会い分娩」が注目され,分娩時に立ち会いを希望する夫や実際に夫参加の分娩を実践する施設が増え,よい成果を上げる傾向にある。しかし,現在わが国において,母性看護担当者や産科医のあいだでも,夫立ち会いの分娩に対する評価は一致をみていない。
夫立ち会い分娩の意義は,児の出生を夫婦で協力して迎え,苦しみと喜びを分ち合い,その後の育児を協力して行なっていく出発点とすることにあるといわれている。事実,ラマーズ法は夫とともに分娩に臨み,楽なお産としての成果を上げた事例が報告されているし,立ち会った夫も,分娩中の妻へ精神的援助ができたことを満足したといっている。
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