特集 周産期ME機器の進歩と助産婦
助産婦はME機器の進歩をどう受けとめるのか
野村 紀子
1
1北里大学病院看護科(母性・小児系)
pp.104-107
発行日 1987年2月25日
Published Date 1987/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207067
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
助産婦の基礎教育のなかで,すでに周産期分野におけるME機器の情報を得て,その意義を理解している人には,ME機器の存在は当然のものとして受けとめられているだろう。しかし,基礎教育のなかではもとより,臨床の場ですら,ME機器に関する知識も情報もなく,ある日突然,ME機器が出現すると少なからず動揺し,そのメリット,デメリットを考える間もなく,否定的になってしまう助産婦も少なからずみられる。このような反応は,筆者に限らず,長いあいだ臨床を体験していれば,必ず何度かぶつかっているはずである。
ME機器の導入によって,確かに,従来不明確であった部分が明確になり,また,防止が不可能であったことが可能になっている。ところが,産科ME機器の代表といわれる「分娩監視装置」が多くの施設に存在しながら,十分に活用されていないという現実をよく耳にすることがある。ME機器は医師の利用するものと考えている助産婦もいるようだが,こうなると,何のためにME機器が存在するのか,改めて考え直す必要を痛感させられる。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.