特集 出生率減少
出生率減少;助産婦としての受けとめ
大沢 文子
1
1日本赤十字武蔵野女子短期大学
pp.373-379
発行日 1991年5月25日
Published Date 1991/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900316
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はじめに
近年出生率減少傾向が急激に進み,平成2年度の出生率は過去最低の10.2を,合計特殊出生率は1.57を示した。出生率1.57という数字は,昨年来母子保健関係者ばかりでなく,一般のマスコミでも連日とりあげられ,大きな波紋を日本中に投げかけた。
出生率減少の背景には出産年齢にある女子人口の減少,晩婚化,女性の社会進出などがあげられる。しかし,日本人の女性は平均1.57人を一生の間に出産しているわけである。数が少ないとはいえ,いや数が少ないからこそ,「出産」経験はより大切なできごととしてとらえられていくであろう。妊産婦の最も近い位置にいる助産婦は変化する現代社会に生きる人々の価値観を,マクロ的にもミクロ的にも理解し,認識を深めていかねばなるまい。
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