特集 出生前診断と助産婦
胎児異常を告知された妊婦をプライマリ助産婦としてケア,戸惑ったことを考察する
鈴木 有美
1
1杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
pp.403-406
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902168
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
最近は妊婦の希望の有無にかかわらず各種の出生前診断が行なわれ,妊婦が予期せず胎児の異常を告知されるということが起きる。その結果,様々な選択を余儀なくされる妊婦と家族が増えている。私たち助産婦は妊婦と家族に身近に関わる看護者として,どうすることが最善のことなのか,葛藤することもしばしばある。
今回私は,双胎を妊娠し超音波診断によって第2子に胎児異常が判明した妊婦Aさんのケアを受け持った。そして胎児異常を告知されたAさんが選択した分娩方法に戸惑った。私のその戸惑いを振り返り,出生前診断を受けた妊産婦に対するケアする者としての助産婦の価値観を含めた姿勢について考えたい。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.