特集 私はこうして学生と向き合ってきた─日々出会うさまざまな悩み
臨地実習における教育・学習編
専門学校1年生が患者とのコミュニケーションに戸惑うとき
荒谷 美香
1
1慈恵第三看護専門学校
pp.97-99
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101988
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お悩み わが校の1年生は,入学して9か月後初めての臨地実習である日常生活援助実習に行き,さまざまなコミュニケーションの困難な場面に直面する。患者にとって必要と判断したケアの提案をすると,「しなくてもいいよ」と断られ,理由をきかず「わかりました」と落胆して帰ってくる。高齢患者が自分の人生の話や昔話をしても,その背景や意味を理解することができない。患者が話しかけているにもかかわらず,「次は右足をつけてください」と足浴の手順に夢中になってしまう。さらに1年生の実習であっても患者にとっては看護職の一員であるため,がん患者から「わたしはいつまで生きられるの?」と突然聞かれたり,「早く天国にいきたい」と言われたりして,どうしていいかわからなくなってしまうこともある。
そのような1年生のコミュニケーション能力の向上に向けて,どのように取り組んでいけばよいのだろうか。
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