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遺伝子治療承認で気になること
根本 悦子
1
1出会いの医療をつくる会
pp.446-447
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901256
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承認はあっけなく決まった
人間の設計図といわれる遺伝子を操作して,根本的に病気を治そうとする遺伝子治療が日本でもスタートした。普通の薬ではなく遺伝子を患者に投与するもので,「究極の治療法」といわれるのは,進行がんやエイズ,先天性疾患など,これまで根本的な治療ができなかった病気に対して,効果が期待されているからだ。
2月上旬に厚生省の「遺伝子治療臨床研究中央評価会議」が公開で開かれた。臨床研究が暴走しないようにと,委員には遺伝性疾患や癌,ウイルスなどの専門家だけでなく,作家の曽野綾子さんや評論家の柳田邦男さん,さらに計画を倫理的な側面から点検するための倫理学者や法律学者など多彩なメンバーで,約1年前に構成された。北海道大学医学部附属病院が計画していた日本初の遺伝子治療は,この会議では全会一致であっけなく承認された。
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