特集 小児科医が診る神経発達症:小児科臨床と発達支援のクロスオーバー
各論 神経発達症児を一般診療で診る
発達の気になる子の睡眠への対応
石井 隆大
1
Ryuta Ishii
1
1久留米大学医学部小児科学講座
pp.1554-1557
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002791
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はじめに
近年,マルチメディアという言葉よりも,SNSやスマートフォンという言葉を耳にするようになり,その生活への影響が懸念されてから久しい。一般小児科医にとって,小児における睡眠の問題はあまり馴染みがないかもしれないが,想像以上に多いことをまず知っておいてもらいたい。具体的に,定型発達児童のおよそ20~30%になんらかの睡眠の問題を認めることが世界的に知られている。加えて,神経発達症の児童はさらにリスクが高くなり,注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)の児童では,70%に睡眠の問題が報告されている1)。さらに,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)の児童も定型発達児と比べ有意に睡眠障害のリスクを有しているとの報告もある。実際にASDでは,通常発達(typical development:TD)の子ども(9~50%)に比べて,より高い頻度(43~80%)で発生し,より重症であると報告されている2)。わが国では,Kikuらが2024年に報告したデータによると,5歳の児童の睡眠障害の有病率は18%であり,ADHD,ASDについてはそれぞれ39.6%,50.4%と高い有病率が判明した3)。以上のように,睡眠は小児科診療における重要な観点である。

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