連載 ケアと現代・6
他者へのケアと自分へのケア
岸 良範
1
,
平野 かよ子
2
,
佐藤 俊一
3
1埼玉医科大学短期大学
2国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
3鹿児島経済大学社会福祉学科
pp.524-527
発行日 1992年6月25日
Published Date 1992/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900596
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われわれは,これまでの2回,日常性に焦点を当て,日常性が現代人にとってもつ意味,および生活の場におけるケアの問題を見てきた。そうしたことは,ケアが誰の生活においても基本的な役割を果たしているということの確認でもあった。
今回は,前2回の主題を引ぎ継ぎながら,「援助の日常性」ともいえる問題にスポットを当ててみたい。ケアを仕事としている人が,どんな個人的事情からその仕事についているのか,ケアの仕事をする人が自分のこと,自分の他者へのかかわりについて,どんな理解をしているのかを鍵としながら,援助者の日常性が具体的援助の場面にどんな影響を及ぼすのか,援助の場が援助者の日常性をとらえ直すこととなるケアとはどのように起こっていくのかを考えてみたい。
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