連載 やすらぎとひらめきの場づくり マインドフルネスとファシリテーション・12
自分に,他者に,微笑む 呼吸に気づくことから始まるマインドフルネス
中野 民夫
1
1東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院
pp.578-581
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200745
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ティク・ナット・ハンのプラムビレッジから
今年のゴールデンウイークに,富士山麓で3泊4日のマインドフルネス・リトリートが開かれ,久しぶりに参加した。昨今のマインドフルネス・ブームの源流の1人,ベトナム出身の仏教者ティク・ナット・ハンは,フランスにプラムビレッジという拠点を築き,国際的な活動をしてきた。そこで修行を続けている僧侶や尼僧の十数人が,脳梗塞で倒れて外遊ができない師の代わりに,毎年来日してさまざまな企画をこなしているのだ。5月の気持ちよい気候の中,青空にそびえる富士山を見上げる絶好のロケーションで,深いやすらぎの場が現出した。
何をやるかというと,座って静かにありのままの呼吸に意識を向ける「マインドフルな呼吸」,外をゆっくり歩く「歩く瞑想」,そしておしゃべりは控えてじっくり味わいながら食べる「食べる瞑想」を中心に,法話,歌,リラクゼーション,儀式,小グループでのわかちあい,など。シンプルな構成だ。
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