連載 ケアと現代・10
ケアと教育
平野 かよ子
1
,
佐藤 俊一
2
,
岸 良範
3
1国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
2鹿児島経済大学社会福祉学科
3埼玉医科大学短期大学
pp.872-876
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900671
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
われわれは,ケアにおいて,基本的なことではあるが通常抜け落ちてしまっている視点をこれまでのべてきた。第1に,人を援助することは単に相手とイコールになるのではなく,異なることとの出会いが大切であることをのべた(第1回〜3回)。第2に,ケアは専門的援助の場にまず必要なのてはなく,日常性において不可欠なことを見てきた(第4回〜6回)。第3に,ケアを行なう上での価値観が,毎日のケアを行なう上で援助者にどのような作用を及ぼしているかを点検してきた(第7回〜9回)。
今回からは,われわれが現代においてケアの持つ意味が非常に問われていると考える3点,ケアと教育,管理,愛することというテーマについてのべてみたい。まずは,教育の問題をケアという視点からとらえていく。人を援助することの教育において,教育者(持つ者)と教えられる人(持たない者)という図式から自由になり,さらに学ぶ人同士の支えあいが援助の実践においていかに重要であるかを見ていく。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.