連載 考える
看護すること—てつがく自由自在・2
〈他者の他者〉としてのわたし
鷲田 清一
1
,
満田 愛
2
1大阪大学大学院文学研究科臨床哲学研究室
2大阪大学
pp.169-173
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905775
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病院で制服を着るのはなぜ?
制服を着ているときとそうでないときの,ひとのイメージには大きな落差があります.わたしも以前に看護専門学校に哲学の非常勤講師として通っていたときに,よく顔を知っている学生が実習でとなりの大学病院に来ていて,普段着ではなくナースの白衣に着替えて作業をしているのを見かけても,そのひとのほうから声をかけられるまでまったく気づきませんでした.
逆のこともあるでしょう.わたしはいつも背広姿(これもたしかに立派な制服です)で講義をしておりましたが,わたしが病院に入院していてパジャマ姿で廊下をゆっくり歩いていても,実習中の看護学生のほうは,すぐにはわたしだと気づかないと思います.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.