特別企画 周産期における倫理と看護
看護の倫理とケアの本質—事例分析を通して
小山 豊子
1
,
成田 伸
1
,
石井 トク
1
1千葉大学看護学部
pp.580-588
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900131
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はじめに
近年「バイオエシックス」に対する関心が高まり,看護の分野で働く人たちからの倫理的ジレンマについての発言を聞くことも多い。しかし,ジレンマがあるという声は聞いても,具体的な事例報告は少ない。それに対し,昨年山形で開催された第19回日本看護学会分科会シンポジウムにおける石原昌氏の報告(27〜31頁掲載)は,詳細で具体的であり,そこには看護の現場で一般的に見られる多くの問題を含んだ貴重な事例であった。そこで,筆者らは石原氏のご承諾を得て事例の分析を試みることにした。
本事例の分析を通して日々看護者が直面しているジレンマについて,なんらかの示唆が得られるのではないかと考え検討を行なった。
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