特集 妊産婦の権利と助産婦
「看護婦の倫理規定」をどう読みとるか
石井 トク
1
1広島大学医学部保健学科
pp.457-464
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900815
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はじめに
古くから聖職,弁護士,医師らの専門職は,人格者であることが社会から求められている。それは自らの判断による裁量の範囲をもつことが許されているからである。そのため自らを律するための倫理規定を定め,これを守ることを専門職としての責務とし,また誇りともした。
このことは専門職である看護職も同様である。1988年,日本看護協会は「看護婦の倫理規定」を定めた。一方,国際助産婦連盟(ICM)は,かねてからの懸案事項であった助産婦の倫理規定を,今年の5月,カナダで開催された第23回ICM大会の国際評議会で討議し,採択した。そこで,本稿は,助産婦である前に看護婦でもある者として,まず看護の基本ともなるべき「看護婦の倫理規定」の読みかたについて理解し,「助産婦の倫理規定」の解釈の一助としたい。
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