特集 看護教育カリキュラムに望むもの
看護教育カリキュラムに必要な倫理的視点
石井 トク
1
1千葉大学看護学部
pp.83-90
発行日 1987年2月25日
Published Date 1987/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908347
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はじめに
生命に関する科学や医療技術の進歩は,必然的に人間の生命に介入するようになってきた.近年これらの問題に対処するための学問として,バイオエシックス(生命倫理)が注目されている.医療の場においても人工的延命処置をはじめ,脳死と臓器移植,体外受精などをめぐって,危機場面に直面するのは医師,看護婦である.なかでも,看護婦は患者と家族の日常生活と深くかかわるだけに,これまで行われなかったような医療行為が実施される場合,倫理的な視点でジレンマに陥る看護婦は多い.その一方では,看護研究をすすめる上での倫理的問題,看護事故にみられる法的・倫理的問題も存在している.看護学の知識・技術を発展させること,そのための教育とともに,倫理的特性を発達させるために現代社会に対応できる‘看護倫理’をカリキュラムに位置づけることが重要と考える.
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