連載 源流への旅
子産み子育て考・22
新生児の儀礼
宮里 和子
1
,
鎌田 久子
2
,
末光 裕子
3
,
菅沼 ひろ子
4
,
坂倉 啓夫
1国立公衆衛生院衛生看護学部
2成城大学文芸学部(民俗学)
3東京江戸川区・教育相談室
4聖母病院分娩室
pp.64-68
発行日 1987年1月25日
Published Date 1987/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207054
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新生児の特徴と習俗
「釈迦に説法」になってしまうが,新生児とは,①分娩直後より母体外生活に適応する能力を得るまでの時期の小児を「新生児」といい,その期間を「新生児期」という。新生児期の長さについてはいろいろの意見があるが,狭義では生後7〜14日間,広義では28日間と考えられ,②母子保健統計では,新生児期は生後満28日未満(27日23時間59分以内)と規定している。ただし,早期新生児死亡は生後満7日未満とする。(「母子保健用語集」P.61)
また,61年度の「国民衛生の動向」によると,生存期間別の乳児死亡は,4週未満の新生児死亡,とくに1週未満の早期新生児死亡が乳児死亡の47.5%を占めているという。つまり,生後の時間や日数が短ければ短いほど子どもの命の危険が大であることを示している。
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