連載 源流への旅
子産み子育て考・13
産み方—姿勢を中心に
菅沼 ひろ子
1
,
坂倉 啓夫
,
宮里 和子
2
,
鎌田 久子
3
,
末光 裕子
4
1聖母病院分娩室
2国立公衆衛生院衛生看護学部
3成城大学文芸学部(民俗学)
4東京江戸川区・教育相談室
pp.345-350
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206862
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§はじめに
つい先頃の「文芸春秋」(2月号)に「西洋式分娩は,赤ん坊を軽い脳死状態にする!」という見出しで,井深大氏(ソニー名誉会長)の教育論が述べられており,ビクッとしたものである。井深氏は「0歳からでは遅すぎる」という立場から,胎児・新生児にはすばらしい人間としての能力があるとし,そのためには出産をもっと自然にもどすべきだと言っているのであった。これは先号の中でも触れているルボワイエールの「暴力なき出産」の意に共通したものである。
このように,お産にまつわる記事が最近とくに目につくようになった。しかも専門誌よりむしろ一般誌にである。ある女性週刊誌ではていねいに,水中出産,しゃがみ産,無痛分娩,ラマーズ法,帝王切開,坐産,代理出産と,こんなにも種類があるのかと思うほど,詳しく説明し,大きく写真を載せている。
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