連載 源流への旅
子産み子育て考・5
妊娠の徴候
菅沼 ひろ子
1
,
坂倉 啓夫
,
宮里 和子
2
,
鎌田 久子
3
,
末光 裕子
4
1聖母病院分娩室
2国立公衆衛生院衛生看護学部
3成城大学文芸学部(民俗学)
4東京江戸川区・教育相談室
pp.724-727
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206708
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§はじめに
今日の産婦人科学の進歩は妊娠の診断のためにさまざまな手法を開発した。今日では,生物学的妊娠診断法や免疫学的妊娠反応などがポピュラーな診断法として定着している。しかし,これらの恩恵にあずかることのなかった私たちの祖先は,いったい何によって妊娠を知ったのであろうか。子供を身籠ることによって,また,出産することによって初めて結婚が真の意味をなした先人たちのことを考えると,彼女らは妊娠したという実感を「身体」と「心」でどのように受けとめたのであろうか。
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