特別企画 プロセスレコードの活用
プロセスレコードで産婦に対する自己の看護をふり返る
難波 茂美
1
1岡山県児島看護高等専修学校
pp.915-920
発行日 1984年11月25日
Published Date 1984/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206542
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はじめに
私たち助産婦は,母性機能特有の妊娠・分娩・産褥を通して母子保健にたずさわっている。助産婦の主な活動は,現象的にみれば,長い妊娠期間の保健指導が実を結んで,産婦が無事分娩を終えることができ,母子共に退院できるよう手助けすることであろう。
妊娠中のいくたびかの保健指導は,妊婦との関係をより強固なものにするということに対して,その重要性を再確認している。上田は"妊婦は分娩過程で,その助産婦との完全な調和すなわち精神的に一体になることにより母らしい女性になることができる"1)と分娩時の信頼関係で結ばれた助産婦の存在の重要性を説いている。しかし,この助産婦—産婦間の信頼関係は,分娩におよぶまでの個別の保健指導の積み重ねにより,しだいにでき上がると考える。
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