産科内分泌学入門・11
「母性」とホルモン
安水 洸彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.145-150
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206402
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今回は「行動とホルモン」の第2部として,特に産科学と関係が深い「母性行動」を内分泌学的に観察してみたい。
母性行動とは子供の出産・養育・保護に関係する一連の行動である。人間の場合は,「母性愛」や「母性の確立」などの精神的なものが強調される傾向があるが,出産—養育—保護という生物学的原則からみると,哺乳類はほとんど同じパターンを示す。もちろん,人間の場合は,家庭や社会などの影響も大きい上に,本能に打ち勝てるだけの「思考力」や「個人的な欲望」などをもっているだけに,ことが複雑になってくる。このあたりは前回の「性行動」の場合と同様である。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.