産科内分泌学入門・22
胎児の発育とホルモン
安水 洸彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.82-87
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206584
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胎児の発育はまことに急速である。妊娠3か月末の胎児の身長は約7cm,頭殿部の長さ(CRL:crown-rump length)は5.5cm,体重20g程度にしか過ぎないが,分娩時には身長50cmと約7倍,体重は3,200gと160倍にもなっている。頭殿部長は1日平均1.5mmずつ成長していくという。
この胎児の発育には,遺伝因子,母体の栄養状態,母体の疾病や外部の環境,自然環境,子宮胎盤血流量などが複雑に関与していることはすでに知られているが,母体—胎盤—胎児系の内分泌機構が重要な役割を担っていることが最近になって解明されてきた。今回はこの胎児発育へのホルモンの関与について話してみたい。
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