産科内分泌学入門・8
ホルモンレセプター
安水 洸彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.953-957
発行日 1983年11月25日
Published Date 1983/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206345
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ホルモンを中心とする生体の活性物質が妊娠—分娩と続く現象にどのようにかかわっているのか,そしてこのしくみを解き明かすための基礎的な研究の成果がどのように臨床面に生かされているのか。先月まではこの主題にしぼって話してきた。産科内分泌学のテーマとしてはまだ胎児—胎盤系,胎児の成熟,乳汁分泌などいくらでもとりあげるものがある。まだまだ先は遠い。
それはさておき,内分泌学について語るときいくつかの素朴な疑問をおもちの方は多いと思う。なぜ特定のホルモンが特定の臓器にのみ作用するのだろう。また血中のホルモンの量はほとんど違わないのに,ホルモンの作用の現れかたに個体差があるのだろう。これらの疑問はすべて「ホルモンの作用機序」,つまりホルモンの効果の出現のしくみに関係してくる。とくにホルモンレセプター(受容体)なるものを理解する必要があるだろう。今月からはこのホルモンレセプターについて説明を加えたい。
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