産科内分泌学入門・15
胎盤のステロイドホルモン
安水 洸彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.531-536
発行日 1984年6月25日
Published Date 1984/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206473
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胎盤は産科領域での最大のバイプレイヤーである。胎児とともに受精卵から発生して,胎児と母体との接合という重要な役割をはたし,胎児の娩出とともにその短い生命を終える。そして医師,助産婦など一部の産科スタッフ以外の誰の目にもとまらず,「後産」として処理されていく。
しかしながら,胎盤は,胎児の育成器官として胎児に酸素や栄養を供給し,胎児を保護するバリアーとなり,さらに妊娠持続に必要なさまざまのホルモンを分泌するという,成人の肺,腎,肝,消化器,さらに各種内分泌器官の役割を一手に受けもっている。このレパートリーの広さは,まず生体組織としては例をみない。
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