研究・調査・報告
授乳室設置に伴う母乳栄養の変化
林 幸子
1
1三重県厚生連中勢総合病院
pp.142-144
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206401
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はじめに
ここ数年間,母性意識の変化に伴い乳児栄養における母乳の価値が見直され,乳児の健全な発育に欠くことのできないものとして再び母乳栄養が推進されています。
昭和56年厚生省が行なった母乳栄養の全国調査では,母乳のみで育てられているのは46.7%といわれます1)。哺育を母乳で行なうことが最もよいことはすでに知られているところですが,私たちも妊娠中から産褥にかけて一貫した保健指導の必要性を強く感じ,母乳栄養の確立指導にとり組んでいます。当院産科では母児異室制をとっていますが,昭和54年9月産科病棟改造に伴い授乳室ができました、そこで褥室に新生児を連れて行き,分散して授乳したときと,授乳室で授乳している現在とを比較してみると,感覚的に母乳栄養が多くなり,また,褥婦にも母乳栄養への意欲がみられるように感じられます。病棟改造前とその後について比較・調査しましたので,その結果を報告します。
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