私と読書
「胎児からの警告:危機に立つ生命環境」を読んで—クリストファー・ノーウッド著 綿貫礼子・河村宏訳
中木村 むつみ
pp.84
発行日 1984年1月25日
Published Date 1984/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206389
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驚くべき胎児環境の破壊
ベトナム戦争で使用された枯葉剤(ダイオキシン)により,胎児死亡や先天異常が急増したといわれる。他国のこととはしていられない。最近,五大湖から輸入していたワカサギにダイオキシン汚染の可能性があるとして問題となったほどだからである。アルコール,煙草,ピル,サッカリン,農薬などにも催奇形性の疑いがもたれている。外的影響を受けやすい器官形成期の胎児環境すなわち妊婦の環境衛生にもっと関心をはらうべきだろう。
著者クリストファー・ノーウッドは,医学的見地から環境問題をとらえて活躍している科学ジャーナリストで,本書は,「ライブラリー・ジャーナル」により,1980年度最優秀作品(医学・科学部門)に選ばれている。
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